石堂動物病院

院長のひとりごと

イメージ

バックナンバー

2008年 09月

2008.9.27(土)

朱鷺(トキ)

みなさんは朱鷺(トキ)という鳥をご存じですか?

学名を「ニッポニア・ニッポン」と呼ばれる新潟県の佐渡島に生息していた薄桃色をした中型の鳥です。佐渡の島に古くから住んでいた鳥なのですが、のんびりした性格のため人に容易に捕まえられたため、明治以降に激減してしまいました。そのため5年前に日本固有のトキは全滅してしまいました。
その後、佐渡島の保護センターで中国生まれの親から人工繁殖で増やしてきて、100羽を超えるまでに増えてきました。9月25日にそれらの内の10羽が佐渡の空へ放たれたそうです。佐渡の自然に戻して野生のトキとして自然繁殖することを期待しての放鳥です。

絶滅した、絶滅しそうな鳥を保護し、個体数を増やして放鳥して野生の姿に戻そうとする保護活動としては兵庫県豊岡市のコウノトリの例があります。数年まえに放鳥して今では自然繁殖した野生(?)コウノトリの2世がいます。
また、東京のはるか南の無人島では活火山島にあるアホウドリのコロニーを別の安全な無人島に移すための移住計画が行なわれています。これらの保護活動はゆっくりですが順調に進行しているそうです。すてきなことですね。
今回の、佐渡のトキの放鳥もこれらの活動のように順調に進む事を祈っています。

何年前かは忘れましたが、このトキの保護活動にかかわる獣医師の募集がありました。その募集要綱を真剣に読んで、トラバーユしようかな〜と考えた事もありました。ですから、今回の放鳥の新聞記事には変な思い入れがありました。5年、10年先の成功を目指すような獣医の仕事も魅力的でたまりません。たぶん今の仕事とはまったく違った難しさや苦労があるのでしょうね、きっと。

私は「日本野鳥の会」の会員です。今も会費のみは払っていますが、活動は皆無になってしまいました。10年前には双眼鏡とカメラを持って、よく野鳥を見に行っていました。お目当ての鳥が見れるかどうかわからないのですが、のんびりと時間が流れる中ですごす探鳥もなかなかよいものでした。10月はタカの渡りのシーズンです。昔はよく見に行っていたなあ〜、行きたいな〜。

いつの日にか佐渡島の朱鷺(トキ)を見にいきたいなあ〜。

↑ページトップへ戻る