石堂動物病院

院長のひとりごと

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2011年 08月

2011.8.15(月)

まとめてアップ:その3「東日本大震災で被災した動物の救済活動」

3月11日(金),東北地方を襲った東日本大震災.
あれから5ヶ月が過ぎましたが,被災地ではまだまだ大変な状況が続いている様です.
獣医師の業界でも被災地の動物とその家族に対する救援資金としての募金活動が活発に行われました.私が所属している日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)でも各病院での募金箱の設置,および各都市で開催している勉強会での募金のお願いなど積極的な募金活動を続けてきました.
当院の受付カウンターに設置した募金箱にも多くの善意のお金が集まりました.募金してくださった皆様,ありがとうございました.

また,アメリカで専門的な勉強して日本に戻って来られた専門医の先生方の呼びかけで,チャリティーレクチャーなども開催されました.京都では7月24日に,私の腫瘍学のお師匠による「東日本大震災復興を応援する獣医師の会」主催の腫瘍学のセミナーを開催しました.私はこのセミナーの世話役を仰せつかりました.講師も世話係も一切無給のボランティアよるセミナーです.参加者の参加費を出来る限り募金に廻す努力が必要になってきます.
会場費は地元の企業協賛を集めました.経費がちょこっとかかりました(半分は募金と思ってマイポケットから支払ったのですが…).講師の宿泊費は何故か持っているホテルのクーポン券で支払いました.講師の晩ご飯は私のおごりです.
会場に設置した募金箱にはあまりお金が入っていませんでした(皆さん,募金疲れなのでしょうか?)
そんなかやで,少しまとまった金額を寄付することができました.9月には大阪,名古屋で同じようなチャリティーレクチャーが開催され,私の友達が世話役をやります.ですから,そちらには一般参加者として参加してのお手伝い予定しています.

集められた募金が,素早く有効に,必要な地域に配られることを強く望んでいます.

福島県の原発危険地区の置き去りにされた動物の収容作業の費用に,
収容された動物の保護,治療の費用に,
動物と一緒に住める仮設住宅の建設費用に,

今,私の福島の友人のK先生が,福島県の原発危険地区の動物の収容やその動物たちをどのようにするかのプロジェクトの責任者に任命されて,かけずり回っています.行政側の責任者との会議であったり,東京の政治家,関係各省への陳情など,自分の病院の仕事を獣医師である奥様とスタッフに任せて孤軍奮闘中です.
K先生の曰わく,
「頼みの議員も,やはり自分のネタにならぬものには絡まずで…」,
やっぱり,どこでも政治家はだめですね!
被災地の復興より,自分が所属する政党の利害関係ばかりを考えてるもんね…

福島で頑張っている彼を手助けできる方法が私にはありません.
頑張り続けている彼に,さらに「頑張って」と声をかけるのも心苦しく感じます.
彼の体調も気になります.
今,私にできることは,後方支援として彼に陣中見舞いの品を贈ることだけかもしれません.自宅に戻って,「ほこっ」としたときに少し季節を感じられる品物を送ることだけです.

また,おいしい物を送りますので…,心の栄養を付けてください.


そして,まとめてアップもこれでおしまです.

2011.8.13(土)

まとめてアップ:その2「夏です! 暑い! イライラ注意報発令中!」

夏,真っ盛りで暑いのは当然です.
夏でもんね.昔から日本の夏は暑いのです.

この頃,ず〜っと,イライラ注意報発令中です.
何に対してイライラしているのか,よくわかりません.

ただ単に,暑い夏にイライラしているのか…
日本の政治に怒ってイライラしているのか…(若い頃は政治なんかに興味はなかったのに…)
景気回復の目処が立たずに,病院経営者としてイライラしているのか…
50歳になり自分の体力がどんどん低下していくことに不安を感じているのか…
次世代の若い人たちのパワーにジェラシーを感じているのか…
残り時間が少なくなってきたのでちょっと焦っているのか…
これからやりたい事がはっきり見えない事にイライラしているのか…
大人の世界のしがらみで,波長の合わない人とも仕事をしなくてはならないからか…
何に対してイライラしてのがわからなくてイライラしているのか…

真夏の夜のひとり言でした…

2011.8.2(火)

まとめてアップ:その1「学会誌投稿に悪戦苦闘」

アッチャ〜! アップを長い期間サボってしまいました…で,名誉挽回(?)するため,ここ2ヶ月分をまとめてアップします

(その1)のタイトルは
   「学会誌投稿に悪戦苦闘」

私の所属している学会のひとつに「日本獣医皮膚科学会」があります.
今回,この学会が発行する学会誌「獣医臨床皮膚科」に症例報告を投稿しようと思いました.誌上報告する症例は「肝臓にリンパ腫が認められた猫の後天性皮膚脆弱症候群の1例」と言うタイトルのものです.

この症例は,食欲不振で来院した猫の背中の皮膚をつまみ上げると,簡単に皮膚が破れて取れてしまいました(写真).普通ではこんなことは絶対に起こらないことです.ピンと来ました.「皮膚脆弱症候群に違いない!」.自分では経験したことはありませんが,論文や学会報告などで聞き知っていた病気です.
残念ながら治療のかいなく,亡くなってしまいました.ご家族の了解を頂き,死後の病理解剖を行わせていただき,この症例の詳細がわかりました.
それらの内容をまとめて投稿しました.
「皮膚脆弱症候群」という稀な病気です.病理解剖所見も充分にあり,潜在疾患であるリンパ腫も確認できています.学会誌に発表するには充分の内容だと少しは自信がありました.

学会誌編集委員会から「比較的珍しい症例について大変詳細に検討されており、内容は採択に値するものだと思います」との連絡があり,
思わず「よっしゃ!!」.
そして「査読内容に沿って文章を修正していただければ…」と続いていました.
私は「ご希望であれば,訂正でも書き直しでもOKですよ」って気分でした.

ところが,これからが悪戦苦闘の始まりです.
学会誌投稿を「甘く」見ていました.5月中旬に送られてきた校正後の投稿原稿には赤線がいっぱいで修正だらけです.
「Oh!ショック,ガク(↓)」って感じでした.
私は大学時代にしっかりとした論文作成の指導を受けた経験がありません.
私がさぼった訳ではありませんよ,担当教授が学生指導できなかったからです(笑).
今までに口頭発表は何回も行っていましたので,同じような感覚で投稿文章を書いていましたが…,
「要約を英語で…」
「細かな事項も詳細な記載をしてください」
「病理の所見は他にありませんでしたか?」
「この根拠はどこからくるのですか?」
「断言できないと思います」
「断言的な言葉使いになっています」
などなど…,やっぱり学会誌です,求めるレベルが全然違います.

正直言って,「もう,投稿,や〜めた」って感じになること数回,
友人である何人もの病理の先生にも電話し,病理所見報告の確認をして,
友人からもアドバイス(プラス激励)も頂いて書き直し,
折れる心をセロテープでくっつけて書き直し,
この投稿が受理されたら祇園に飲みに行くぞ!と誓って書き直し,
考察の項など全文リセットして書き直し,
などなどの,悪戦苦闘の日々を過ごしました.

そして7月上旬に「採択」のお知らせが届きました.
私の投稿論文の採用です,これで書き直しはおしまいです,
ご褒美に祇園です.

やっぱり査読者,校正者の付く,学会誌はアカデミックでハイレベルです(当たり前ですが…).「学会誌,舐めたらアカン!!」ですね.

今,思えば,私の投稿論文を校正して,指導して頂いた先生に感謝です.
つたない文章に最後までお付き合いくださり,人前に出せるものにしていただきました.私にとっては初めての経験であり,勉強の場でもありました.
次回のチャンスにはもっとスマートに投稿できるようになっていたいと思っておりますが…,次のチャンスはあるのかな?

この秋には手元に届くそうです.
その時にはどんな風に思うのでしょうか?     ではでは,

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