石堂動物病院

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デンタルケア商品を考える

☆「犬用ガム」について考えてみよう!

歯みがきをしてないワンちゃんが年をとると歯石が歯について歯周病になることは皆さんよくご存じです.そして,歯周病対策としてのデンタルケア商品もいろいろなアイテムがたくさん紹介されています.今回は,デンタルケア商品の「犬用ガム」について考えてみましょう.

「犬用ガム」と言われる商品には,牛皮で作られている商品がメインです.骨の形をしたものからスッティック状のものまで形は様々で,その堅さもいろいろな物があります.多くの商品が「おやつ」として売られています.

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「犬用ガム」は「おやつ」でしょうか?

「犬用ガム」を与える目的は何でしょうか?

本来は,歯に付いた歯垢を増やさないようにと考えて与えているのでは?
ワンちゃんが「犬用ガム」を噛むことによって,歯に付着した歯垢を剥ぎ落とすことを期待して,デンタルケアのひとつの方法として与えているはずでは?

「犬用ガム」をもらったワンちゃんは,けっこう長い時間をかけて,とても丁寧にガジガジ嬉しそうに噛んでいます.「ガムを噛んでいる間は,ひとりで静かにしていてもらえるし,ほんと便利でいいね〜!」なんて思っていませんか?
ご家族の方は,「犬用ガム」は「おやつ」だと勘違いしていませんか?
「犬用ガム」はおやつではなく,歯垢除去を目的としたデンタルケア商品のひとつです.

デンタルケア商品の「犬用ガム」はおやつではありません!

「犬用ガム」をおやつ感覚でワンちゃんに与えて,ほっておくと,咬みちぎってそのガム片の塊を食べてしまう事があります.そんな事になったらとんでもなく危険なことに成りかねません.

  • 咬みちぎったガム片が歯の間に挟まって涎(よだれ)が大量に出たり,喉の奥や食道に詰まって苦しそうな症状を示します.
  • ガム片の塊を飲み込んでしまうと,それを消化するために大量の胃酸が分泌され,その結果急性胃炎になって食欲不振や嘔吐を示します.また,その後,消化不良の下痢の症状を示すこともあります.
  • 最悪は胃に飲み込んだ塊が消化されずに小腸へ移動して腸閉塞を起こしたりする可能性もあります.この場合は緊急手術の必要があります.

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こんな風に前足で押さえ込んで,時間をかけて,ガシガシ噛んでくれるのが理想的!

では,デンタル商品としての「犬用ガム」の正しい使い方は,

  1. ワンちゃんの口より大きめのサイズを選ぶ(飲み込むリスクを減らすために)
    • おやつではありませんので,ワンちゃんの「食べやすさ」を考える必要はありません.
    • 何とか齧ろうと,あっちを噛み,こっちを噛み,右側で噛み,左側で噛む.こうすることによって歯の表面とガムが擦れることで歯垢除去効果が発揮されます.
    • 何かの拍子に飲み込んでしまう危険を回避するためにも大きめの物を準備しましょう.
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    1日1回,「歯みがきタイム」として10〜15分間ぐらい,「犬用ガム」を噛む時間を作る
    • 「歯みがきタイム」の時は,ガム片の塊を飲み込まないようにワンちゃんのそばに居て様子を見ている.
    • できれば,誤って飲み込まないように「犬用ガム」の片方を手に持った状態で噛ませる.
  3. 小さくなって飲み込めそうな大きさになったら,それは捨てて,新しい大きな物を与える

「犬用ガム」はおやつではなく「デンタルケア商品」であることを正しく認識して,事故の起こらないように正しく使う事によって,歯周病対策として充分に効果があります.

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