避妊/去勢手術を考えよう
メスねこの発情は,犬のように年に2回と決まっておらず,日照時間などによって発情周期がコントロールされます.発情シーズンは一般的に冬から春の始まり頃までと春の終わり頃から夏の終わり頃までです.発情シーズンになると約2週間から3週間の周期で発情をくり返し,発情期独特の鳴き声に悩まされることもあります.
メスねこに避妊手術が必要とされる理由は3つあります
一つ目の理由は,望まれない子猫の妊娠/出産を防ぐ事ができるということです.知らないうちに外出(脱走?)して,その時に妊娠するようなアクシデントを防ぐことができます.
二つ目の理由は, 発情時の独特な鳴き声に煩わされなくなります.
そして,三つ目の理由は,犬と同じように乳腺腫瘍や子宮/卵巣の病気の予防が可能であるということです.
特にねこの乳腺腫瘍はほぼ100%悪性腫瘍であると言われていますので,避妊手術による予防効果は犬以上のものが期待できると思われます.
避妊手術の時期は,子ねこによって性成熟の時期は若干の違いはありますが生後6ヵ月がひとつの目安となります.発情期の鳴き声をあげ始めたらすぐに手術をした方が良いと思われます.手術の方法は犬とほぼ同じで,全身麻酔をかけて卵巣の摘出術を行います.
オスねこに対しての去勢手術の効果は,室内飼育のねこちゃんにおいては,自分のテリトリーへの執着が低下することによって室内でのマーキング(俗にスプレーと言われるおしっこかけ)が減ります.自由外出が許されているねこちゃんにおいては,男性ホルモンがなくなることによって攻撃性が低下し,ケンカの回数が減る可能性があります.このことはケンカ傷などから感染する猫エイズや猫白血病ウイルス感染症の危険性の低下につながります.
また,犬に比べると精巣ホルモンに関連する中高齢以降の病気には非常に少ないのですが,精巣腫瘍の発生などが予防できます.去勢手術の実施時期は,性成熟が完成した生後6ヶ月頃が良いと言われています.オスねこの去勢手術は犬と同じように精巣を取るのですが,犬の手術よりも簡単で短時間で終わる手術です.