猫のよもやま話2:「化け猫」のお話
佐賀藩2代目藩主・鍋島光茂と家臣の龍造寺又七郎が碁の最中に、「待った!」「待たない!」で口論となった挙げ句、又七郎を斬り殺してしまう。又七郎の母は自分が飼っていた猫に悲しみの胸中を語って自害。母の血を舐めた猫が化け猫となり、城内に忍び込み毎晩のように藩主光茂を苦しめる。最後には光茂の忠臣・小森半左衛門が化け猫を退治し、鍋島家を救うという龍造寺家/鍋島家のお家相続問題の遺恨を化け猫の怪異で表現した伝説です。
私は子供の頃の記憶として、お姫様の衣装を着た化け猫がお武家屋敷でお侍相手にヒョイヒョイと飛び回り戦っているシーンが残っています。ちょいと調べて見ると、今までに佐賀藩鍋島の化け猫騒動を基にした映画は20作品を超えている。2022年に化け猫映画のリメイク版として「怪猫狂想曲」という映画も公開されています。
さらに、1987年には大学の先生が、学術雑誌「日本文学誌要」において『日本<猫>文学史序説(2)そろそろ猫が化ける頃』という論文を発表しています。論文のテーマが「化け猫」とは凄い! (この論文はネット検索すれば全文が読む事が可能です)
近年では、猫ブームの影響なのでしょうか、2017年に「猫の怪(江戸怪談を読む)」、2020年に「世にもふしぎな化け猫騒動」という本も出版されています。
昭和/平成/令和の時代にはアニメの世界において色々な「化け猫」が描かれています。
皆さんの知っている猫のお化け(妖怪)はどんなものがいますか?
歴史をたどって「化け猫」を追いかけていくと、「化け猫」は鎌倉時代から平成/令和の時代まで、その姿を変えながら、様々な表現方法で語り伝えられてきた日本を代表する『愛される大妖怪』様なのでしょうね(笑)。
『化け猫さま、いとおもしろし』でございました。
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