ワンちゃんの高齢化にともなって
はじめに
近頃、ワンちゃん達の寿命が非常に長くなってきました。この事に関しては私たち獣医師もびっくりしています。そこで、寿命が延びた原因を考えてみると…
☆寿命が延びた原因
飼い主さん達の飼い方が上手くなった
- 日常の健康管理をしっかりとやられる飼い主さんが増えてきました。その結果、交通事故や落下事故、ノミによる皮膚病、食べ物による消化器系のトラブルなどは10年前に比べればほんとうに激減しました。
- インターネット普及も多くの情報(正しい情報ばかりとは限りませんが)を飼い主さんに提供しているのに役立っているようです。少なくとも動物の事を考える、また勉強するきっかけにはなっているようです。
栄養学的な事を考えたペットフードが広く使われるようになった
- 栄養学的に高齢動物に適したシニアフード(消化性の良い素材を使う、塩分制限など)が利用され、また心臓病・腎臓病や皮膚病などに対する療法食を用いた食事療法が行われることで、病気の進行を遅らせる事が可能になった。
- 病気用処方食がベストとは言いませんが、お手軽で簡単に利用でき、また幾種類の製品から嗜好性のあったフードを選べるようになった。
伝染病やフィラリア症などの予防を多くの方がするようになった
- ワクチン接種やノミ予防、フィラリア症の予防薬の投与などをきちんと行う事で、「病気を予防する」という考えが定着してきた。
動物病院が身近な存在と認識されるようになった。
- 多くの飼い主さんが動物病院で、動物を飼うにあたっての正しいアドバイスを受けられるようになった。また病気の早期発見が可能となった。
などが考えられます。
その他にも動物病院の医療設備(超音波、内視鏡など検査機器)の充実ぶりも考えられますね。またCTやMRIなどの高度診断センターや二次診療主体の医療センターが各地にできたり、専門診療のみ(例えば皮膚病専門とかエキゾチックペット専門のような)を行う各分野の専門家が充実してきて獣医療全体のレベルの底上げが進んだのも大きな要因だと思います。
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