ワンちゃんの高齢化にともなって
では、私たち動物病院スタッフはこれら高齢の動物の病気に対してどのようなスタンスで立ち向かうべきか?
高齢の動物に対しての治療において、完治が望めない病気に対してはそれぞれの動物の残っている時間(寿命)との兼ね合いで治療法を考えなければいけません。無理な治療法は死期を早めるかもしれません。
高齢動物の治療は特にいろいろなことを考える必要性があります。
1番大切なことは、決して無理せず、動物の苦痛となる痛みなどを取り除いて生活の質(Quality of life)を維持してあげることだと思います。薬だけが治療ではないかもしれません。サプリメントや食事が役立つこともあります。
そして飼い主さんとのスキンシップの時間が動物の心を穏やかにする最高の治療薬であることもあります。高齢動物の治療の主役は飼い主さんで、私たち病院スタッフはそのサポート役なのかもしれません。
高齢動物の治療においては決して無理せず、それぞれの動物にあった「オンリー・ワン」の治療法を考えることが大事なことだと考えています。
それが、「どうぶつにやさしい医療」のひとつの形だと私は思います。
人間も動物も年をとってくると、からだのどこかに異常(病気)がでてくるものなのです。年をとると言うことは、「病気と上手に付き合っていく」と言うことなのでしょう
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