ワンちゃんの高齢化にともなって
高齢化に伴って各種腫瘍の発生が増えてきました。ヒトと同じようにいろいろな腫瘍が動物にも発生しています。
フィラリア症は少なくなりましたが、小型犬を中心に心臓の弁膜障害が多くなりました。完治が望めない疾患ですので、一生涯の内服薬でのコントロールが治療になります。
高齢動物の代表的な病気ですね。残念ながらヒトのような人工透析の方法が獣医療では確立されていませんので、点滴療法、食事療法、内科的投薬などの組合せで、腎臓の悪化を遅らせることを目的に治療が行われます
ここ10年でこの病気の発生が増えました。小型犬、柴犬および柴犬系の雑種に多いように思います。ヒトと同様に介護が中心の治療になりますが、この頃はこの病気の特徴や対応策も新たに分かってきました。
若き時代の肥満が災いしての年を取ってからの老齢性関節炎です。痛くて歩く事をいやがったり、関節が曲がらなくなります。痛み止めの内服薬やサプリメント中心の治療になります。
長生きすれば当然、歯石の付着も増えます。歯石が原因の口臭や歯肉炎、鼻炎などです。歯石付着はある意味ではどうしようもないかもしれません。長く生きてきた証かも…。
高齢で寝たきりになった動物では床ずれ(褥瘡)ができたりします。
これらの病気は、動物が長生きした場合はどれかひとつくらいはとはお付き合いせねばならないものかもしれません。例えば、動物の13歳は人間の年齢にするとだいたい68歳にあたります。人間の68歳なら、体のどこかに、何か問題(病気)を抱えているものです。私たち人間はその病気と日々、上手に付き合って生活していきます。動物も同じです。飼い主さんは自分の動物が高齢になって、何か問題(病気)があっても悲観せずに、その病気と動物が上手に付き合っていけるようにサポートしてあげる事を考えてください。