僧帽弁閉鎖不全症
この病気の治療は、左心室から左心房・肺への血液の逆流をできるかぎり少なくすることで心臓の変形や肺への影響を最小限とし、病気の進行を少しでも遅らせることです。内科的投薬を行うことによって快適に生活できる時間をより長く保つことを目的とします。そのためには下記に示すような薬を組み合わせて生涯にわたって投与します。
薬の投与の他に、食事療法と生活管理が重要になってきます。病気が進行してくると積極的に心臓病用の療法食を利用します。これらの療法食は十分な栄養を確保しながら塩分制限がなされています。さらに心筋保護やアンチエイジング目的のサプリメント併用も有効かもしれません。また日常の生活管理で大切なことは、心臓に負担のかかるような運動を控え、興奮するような状況を避けること、心臓病の悪化要因でもある肥満対策としての食事管理です。
現在では、獣医科大学などの高度医療が実施できる数カ所の施設において、体外循環装置(人工心肺装置)を用いて僧帽弁の異常を修復する僧帽弁形成術(弁輪縫縮術+腱索再建)などの心臓外科の手術も実施されています。まだ、心臓外科による治療法は一般化していませんが、手術が上手く行われれば、内科的コントロールもほとんど必要なく、完治に近い状態であると報告されています。
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