犬の尿石症(膀胱結石)について
おしっこの流れ道である尿路(腎臓→尿管→膀胱→尿道)のどこかに結石が作られた状態を尿石症といいます。作られる結石には砂状の小さな粒から小石大の大きさの結石まで様々なものが存在します。結石が存在することによって、出血性の膀胱炎や排尿障害などの様々な症状を示します。
多くの結石の種類が存在しますが、今回はその中でも犬の膀胱結石として代表的な、ストラバイト結石とシュウ酸カルシウム結石について解説します。
ストラバイト結石は犬で最も発生の多い尿石(膀胱結石)で、リン酸アンモニウムマグネシウム結石とも呼ばれています。
尿中にアンモニア、マグネシウム、リン酸の成分が多く存在し、尿中のpHが6。4以上になると結晶化して「ストラバイト結晶」を作ります。
これらの結晶がさらに多くなってひとつになったものが「ストラバイト結石」という膀胱結石になります。
結石ができる原因は、
シュウ酸カルシウム結石は2番目に発生の多い尿石(膀胱結石)です。
発生原因ははっきりとわかっていませんが、ストバイト結石以上に遺伝的要因が強いと考えられています。また、カルシウムを多く含んだ食事を食べていると高カルシウム血症となり、尿中のカルシウム濃度が増加し、シュウ酸カルシウム結石が形成される危険性が高まります。
尿中のpHは酸性側に傾いている場合もシュウ酸カルシウム結石が形成されやすくなります。