石堂動物病院

病院便りこのコーナーでは飼主のみなさまと動物に役立つ情報を
お伝えして行きたいと考えています。楽しみにしていてください。
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犬の認知症の治療
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「おむつ」について
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寒がり猫の冬の過ごし方
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犬の認知症
歯みがきトレーニングの方法
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食糞に関して
ネコの腎臓病について
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わんちゃんのしつけについて最新情報
犬の体脂肪について

犬の認知症

☆認知症の治療について

犬の認知症に対してその発症を防ぐ治療,認知症の症状が出ているワンちゃんを治すための有効な治療法は残念ながら確立されていません.しかし,発症予防や進行を遅くする可能性のある治療は報告されています.また,認知症のワンちゃんの夜鳴きなどで,ご家族が困っておられる場合の対応策はありますので,それらをご紹介いたします.

1)認知症の発症予防や進行を遅くするためには

サプリメント「メイベットDC」(Meiji Seikaファルマ株式会社)

  • 犬の認知症をコントロールするために開発された犬用栄養補助食品です.
  • 認知症による異常行動(夜鳴き、徘徊等)のコントロールに有効であるとされているオメガ3不飽和脂肪酸(EPA<エイコサペンタエン酸>、DHA<ドコサヘキサエン酸>)を主成分としています.
  • このサプリメント療法で,認知症の発症予防や,その進行を遅らせる可能性,認知症の症状の軽減効果が認められるとの報告があります.
  • このサプリメント療法を開始した場合,「メイベットDC」の投与を途中でやめると再給与時に効かなくなることがあるので,必ず投与を継続してください.

2)夜中の鳴き声が激しく制御できない場合には

夜鳴きをコントロールする目的で薬物の投与を考えます.しかし,残念ながら認知症に対する特効薬は現時点では存在しません.そこで当院では、睡眠誘導薬、抗精神剤、鎮静剤などを状態に応じて使用して,ワンちゃんが夜間に寝てくれるようにコントロールします.
これらの薬のどれが有効なのか,その投与量,投与間隔もはっきりわかっていません.それぞれのワンちゃんに実際に投与して試してみるしか方法がありません.高齢犬への投与になるため,肝臓の代謝率が悪くなっている場合には,効き過ぎて危険な状態を招く可能性もあります.

そのため、当院では認知症のコントロール薬の投与に関しては、事前に肝臓・腎臓などの機能をチェックする目的で血液検査を行います.そして、投薬に関するリスクをご家族に十分ご理解いただいた場合のみ処方を行っています.

認知症のワンちゃんの介護・お世話でお困りの場合には,
遠慮なくご相談ください.

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