「猫の口内炎」について
今回は猫の口腔内の病気である「猫の口内炎」についてお話しします。
「猫の口内炎」とは、口腔内の粘膜(主に奥歯の横に当たる頬の部分の粘膜)や歯肉、舌に炎症を起こしている病態を示します。口の中を覗くとこれらの部分が赤く腫れて潰瘍が生じ、時に出血などが見られます。炎症・潰瘍が口の中全体に及ぶ重度のものから、一部のみに炎症が生じる軽度なものまで、さまざまな程度の病態が存在します。
この病態を「猫の口内炎」とわかりやすく呼ぶのが一般的でした。獣医学的には慢性歯肉口内炎/潰瘍性歯周口内炎/口頬炎/難治性口内炎/リンパ球性プラズマ細胞性歯肉口内炎など様々に呼ばれてきましたが、近年、「尾側口内炎」と呼ばれるようになってきました。