石堂動物病院

病院便りこのコーナーでは飼主のみなさまと動物に役立つ情報を
お伝えして行きたいと考えています。楽しみにしていてください。
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動物の腫瘍のお話(その3)

☆当院でのリンパ腫の治療例の紹介

◎消化器型リンパ腫の1例

症例は14歳6ヶ月齢の去勢済の雄猫で,「10日前より食欲の低下」という主訴であった.腹部の触診で腹腔内に腫瘤(しこり)を確認し,腹部X線検査においても同様の腫瘤を確認した.腹部超音波検査においても直径3cm,長さ5cmの棒状の腫瘤が認められたので消化管腫瘍を強く疑った.
4日目に開腹手術を実施し,腫瘤病変部を切除し病理検査を依頼した.腸管の病変以外には腹腔内にリンパ腫が転移しているような病変は見られなかった.病理組織検査では消化器型リンパ腫と診断された.切除した腸管には腫瘍細胞の拡がりは認められなかったが,大網と呼ばれる腹腔内の膜組織に細胞レベルでの転移が確認され,予後が悪いことが予想された.手術後2週間目の検診時には良好であったが,手術後44日に自宅で死亡した

消化器型リンパ腫の1例

◎節外型リンパ腫の1例:(鼻にできたリンパ腫)

節外型リンパ腫の1例

症例は推定7歳齢の避妊済の雌猫で,体重3.2kg,「2ヶ月前より右鼻孔の横が腫れてきて,悪臭がする,元気・食欲はある」という主訴であった.右鼻孔横の腫瘤(しこり)(右写真)の細胞診を実施し,リンパ腫を疑わせる腫瘍細胞を確認した.その他の部位には転移を疑わせるような病変は存在しなかったが,猫ウイルス検査において「猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ):FIV」が陽性であった.
初診日より47日目からドキソルビシン単独による化学療法を実施したが効果が見られず,腫瘍塊のサイズが大きくなり,食欲不振状態による全身的な衰弱状態(悪液質)が認められたため化学療法を中止した.その後も腫瘍塊は大きくなり,初診日より83日目に自宅で死亡した.

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