動物の腫瘍のお話(その3)
動物の高齢化に伴い,「がん」などの腫瘍疾患が増えてくるのは仕方のないことなのかも知れません.また,高齢化に伴う「がん」の発生を予防する有効な方法も報告されていません.
ならば,どうするか?
猫のリンパ腫に関しては,発症リスクを高める「猫白血病ウイルス感染症:FeLV」や「猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ):FIV」などに罹らないように愛猫の生活を管理する必要があります.
これらのウイルス感染症は猫同士のケンカによって広まります.去勢・避妊手術を行うことは,猫の野外での活動を減らし,他の猫との接触機会を減らすことでウイルス感染症の予防になると考えられています.
また,これらのウイルス感染症に罹っている猫がリンパ腫になった場合は,積極的な化学療法を行っても,抗癌剤の効果が弱かったり,その他の合併症が発生する場合が多く,治療成績が良くないように感じられます.
「猫白血病ウイルス感染症:FeLV」や「猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ):FIV」などに罹らないようにする工夫と努力は,大切な猫ちゃんをリンパ腫から守るのに大切な事だと思われます.
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企画・編集 石堂動物病院